生け花は、基本的に趣味として花を
生けて楽しむものです。 そのため、花の生け方に厳密な
ルールを気にする必要はなく、
細かなことに拘らず、
自分の感性を活かして自由に
表現することが大切です。
むしろ、難しく考えすぎると、個々の
生け花の持つ個性が失われてしまうこともあります。
生け花に使う花は、同じ種類であっても
それぞれが異なる存在であり、
時と場所によって様々な表情を見せてくれます。
そのため、花が持つイメージを大切にし、 その瞬間にしか表現できない独自の生け花を
楽しむことが、より豊かな体験となるでしょう。

華道は、趣味として楽しむ生け花とは異なり、
各流派のしきたりや型を意識し、
それに則って花を生けることが求められます。
もちろん、花を生ける際に自分自身の感覚も
大切にしますが、まずは流派の教えを
しっかり守ることが基本です。 特に華道においては、精神的な側面が非常に重要です。
花を通じて何を感じ、どのように行動するかを
深く考えることが必要です。 たとえ美しいバランスで花を生ける技術を身につけたとしても、
精神的な部分が疎かであれば、華道を極めることはできません。
華道では、花の命を尊び、大切に扱う心を
理解することが重要です。
また、客をもてなす心も大切な要素となります。
これらの精神的な面は、稽古を
重ねることでしか磨かれません。 真摯に稽古に取り組むことで、内面が少しずつ磨かれていきます。